2014年 06月 17日
ミラノの美しい邸宅 |
現在、日本にコレクションが行っているポルディ・ペッツォーリ美術館に行ったのはもう何年も前。まだヴェネチアに留学していた時に、ポーランドから来た友達とミラノで待ち合わせて行ったんだった。
昔の貴族の邸宅が美術館として使われており、コレクションの素晴らしさはもちろん、あまりにも美しい邸宅をじっくり堪能したのを覚えている。
さて、時々土曜日の朝に、わが町にあるかつてこのあたりを治めていた貴族の館の横のバールで彼氏のマラソン仲間と朝ご飯するのだけれども、その彼が
FAI(Fondo Ambiente Italiano イタリア環境基金)
のチケットをくれました。もともとは、薔薇の季節にヴァレーゼという街の庭園を見に行きたいという話をした時にくれたのですが、時期を逃してしまい、それならミラノの Villa Necchi に行きなよと。貰った券は、イタリアの19の場所で使えるようでした。
地下鉄のサン・バビラとパレストロの辺りは、でっかいお屋敷やコンドミニオだけどもう外装見るだけで、お金持ちの家とわかる建物が多い所。
そんな場所のモーツァルト通りの一角に、お目当てのヴィッラ・ネッキはありました。
正確には、Villa Necchi Campiglio で、ネッキ家とカンピリオ家の邸宅です。
ミシンの有名な会社「ネッキ」の娘たちが住んでいた家で、カンピリオはそのうちの1人の夫の苗字。
夫婦には子供がおらず、またもう一人の娘は未婚だったので、家を継ぐ人がおらず、2001年にFAIに、改修費の一部と共に寄贈され、7年の工事の後、一般に公開されるようになったそうです。
邸宅は、まず1932年から35年にかけて、ミラノの建築家ポルタルッピ(Piero Portaluppi) によって、当時の最先端のデザインをあらゆる場所に最高の素材で作り上げられました(もちろん予算の心配だってなかったのだろう)。
その後、ブッツィ(Tomaso Buzzi) という建築家がポルタルッピの後を継ぎ、彼はより古典的なスタイルで邸宅をデザインしました。
チケットカウンターに行くと、ちょうどもうすぐガイドツアーが出発するところだというので、急いで中へ。
(建物の見学は、ガイドツアーでしかできません。庭は自由で、庭だけならば料金もいらず、中のカフェやレストランだけの利用というのもできるそうです)
一歩敷地に足を踏み入れると、そこは本当にミラノ??というほど静かで、小さな森の中のよう。
終わりかけでしたが、青や赤の紫陽花が競うように咲いていました。
さらに、家が建つよりも前もからあったという大きなマグノリアの木に目が奪われます。
建物の中に入ると、もうしょっぱなから当時としてはものっすごいモダンな家だったんだろうなというのが、色々な部分から見えてきます。
まず、ドアの多くが引き戸。
サロンは、大きな本棚などがあるので巨大ではないのですが、部屋と部屋の間にガラスがあることで、向こうの部屋までが見え、さらに庭までもが透かして見えるので、開放感があります。
特に美しいのは、1階部分の庭に最も近い部分の緑色を基調としたガラス張りの空間。
そして、個人的なことなのですがここに来て最もびっくりしてしまったのは、なんとアルフレード・カゼッラの肖像画が飾られていたのです。
この邸宅では、Collezione Alighiero ed Emilietta de’ Micheli というコレクションと、Collezione Claudia Gian Ferrari という20世紀の美術のコレクションが置かれていて、カゼッラの肖像画はデ・キリコの作品。
これは、いくつかあるカゼッラの肖像画の中でもよく資料に出てくるもので、論文書いている時によく目にした絵がいきなり自分の前に現れたので、びっくりしすぎて声が震えてしまいました。
というわけで、私とカゼッラの初めての記念撮影?です(笑)
ダイニング部分などの天井は、星座が描かれていたり、2階の洗面所の窓が星形だったりと、星に関係するモチーフがちりばめられているのも美しいです。
そうそう、当時としては本当に珍しかったであろう、エレベーターもありますし、庭のプール、また2階のクローゼットや食堂の食器棚などは「しまう」だけでなくて、ガラス張りにしてお店のように並べて「見せる」という収納法をとっていて、ガイドさんが言っていた通り
「イケアのショールームみたい」です。
見学を終えて、ゆっくり庭を見てから外に出ると、そこはいつものミラノの街がすぐに現れて、なんだか美しい夢から覚めたような、ちょっとぼーっとしてしまいました。
Villa Necchi Campiglio
Via Mozart 14, Milano
地下鉄M1(赤い線) Palestro から徒歩5分ほど。
(San Babila や Porta Venezia からもそこまで遠くありません)
昔の貴族の邸宅が美術館として使われており、コレクションの素晴らしさはもちろん、あまりにも美しい邸宅をじっくり堪能したのを覚えている。
さて、時々土曜日の朝に、わが町にあるかつてこのあたりを治めていた貴族の館の横のバールで彼氏のマラソン仲間と朝ご飯するのだけれども、その彼が
FAI(Fondo Ambiente Italiano イタリア環境基金)
のチケットをくれました。もともとは、薔薇の季節にヴァレーゼという街の庭園を見に行きたいという話をした時にくれたのですが、時期を逃してしまい、それならミラノの Villa Necchi に行きなよと。貰った券は、イタリアの19の場所で使えるようでした。
地下鉄のサン・バビラとパレストロの辺りは、でっかいお屋敷やコンドミニオだけどもう外装見るだけで、お金持ちの家とわかる建物が多い所。
そんな場所のモーツァルト通りの一角に、お目当てのヴィッラ・ネッキはありました。
正確には、Villa Necchi Campiglio で、ネッキ家とカンピリオ家の邸宅です。
ミシンの有名な会社「ネッキ」の娘たちが住んでいた家で、カンピリオはそのうちの1人の夫の苗字。
夫婦には子供がおらず、またもう一人の娘は未婚だったので、家を継ぐ人がおらず、2001年にFAIに、改修費の一部と共に寄贈され、7年の工事の後、一般に公開されるようになったそうです。
邸宅は、まず1932年から35年にかけて、ミラノの建築家ポルタルッピ(Piero Portaluppi) によって、当時の最先端のデザインをあらゆる場所に最高の素材で作り上げられました(もちろん予算の心配だってなかったのだろう)。
その後、ブッツィ(Tomaso Buzzi) という建築家がポルタルッピの後を継ぎ、彼はより古典的なスタイルで邸宅をデザインしました。
チケットカウンターに行くと、ちょうどもうすぐガイドツアーが出発するところだというので、急いで中へ。
(建物の見学は、ガイドツアーでしかできません。庭は自由で、庭だけならば料金もいらず、中のカフェやレストランだけの利用というのもできるそうです)
一歩敷地に足を踏み入れると、そこは本当にミラノ??というほど静かで、小さな森の中のよう。
終わりかけでしたが、青や赤の紫陽花が競うように咲いていました。
さらに、家が建つよりも前もからあったという大きなマグノリアの木に目が奪われます。
建物の中に入ると、もうしょっぱなから当時としてはものっすごいモダンな家だったんだろうなというのが、色々な部分から見えてきます。
まず、ドアの多くが引き戸。
サロンは、大きな本棚などがあるので巨大ではないのですが、部屋と部屋の間にガラスがあることで、向こうの部屋までが見え、さらに庭までもが透かして見えるので、開放感があります。
特に美しいのは、1階部分の庭に最も近い部分の緑色を基調としたガラス張りの空間。
そして、個人的なことなのですがここに来て最もびっくりしてしまったのは、なんとアルフレード・カゼッラの肖像画が飾られていたのです。
この邸宅では、Collezione Alighiero ed Emilietta de’ Micheli というコレクションと、Collezione Claudia Gian Ferrari という20世紀の美術のコレクションが置かれていて、カゼッラの肖像画はデ・キリコの作品。
これは、いくつかあるカゼッラの肖像画の中でもよく資料に出てくるもので、論文書いている時によく目にした絵がいきなり自分の前に現れたので、びっくりしすぎて声が震えてしまいました。
というわけで、私とカゼッラの初めての記念撮影?です(笑)
ダイニング部分などの天井は、星座が描かれていたり、2階の洗面所の窓が星形だったりと、星に関係するモチーフがちりばめられているのも美しいです。
そうそう、当時としては本当に珍しかったであろう、エレベーターもありますし、庭のプール、また2階のクローゼットや食堂の食器棚などは「しまう」だけでなくて、ガラス張りにしてお店のように並べて「見せる」という収納法をとっていて、ガイドさんが言っていた通り
「イケアのショールームみたい」です。
見学を終えて、ゆっくり庭を見てから外に出ると、そこはいつものミラノの街がすぐに現れて、なんだか美しい夢から覚めたような、ちょっとぼーっとしてしまいました。
Villa Necchi Campiglio
Via Mozart 14, Milano
地下鉄M1(赤い線) Palestro から徒歩5分ほど。
(San Babila や Porta Venezia からもそこまで遠くありません)
by barcarolaw
| 2014-06-17 14:06
| ミラノ