2017年 02月 13日
イタリアおやじの言うお嬢さん問題 |
少なくとも週2は朝決まって10時過ぎに行くバールが1軒ある。
そこは大きな病院や裁判所の近くなので朝からたくさんお客さんがいて、さくっとカウンターでコーヒー飲んで素早く去っていく人もいれば、テーブルにゆっくりすわって朝ごはん食べている人もいる。
結構顔なじみになってる人も多いようで、4,5人いるバリスタは馴染みのお客さんが来ると「いつものあれかい」みたいな感じで注文する前からもうわかっていたりもする。
さて、私がここのバールに行くようになったのは歌の伴奏の仕事で行っている音楽学校がもともとあった場所から今の位置に移ってからで、かれこれ1年半前くらい。
私は郊外から電車でミラノにやってくるということもあって、いつもほとんど同じ時間、もしもの電車の遅延に備えて仕事開始時間よりちょっと早く学校付近に到着する。
仕事を始める前にそこでいつもカフェ・マッキアート(エスプレッソにちょっと泡立てたミルクを足したもの)を立ち飲みして、気持ちを整えてから学校に入る。
そんなことを毎週していたら、通い始めて半年くらい経ったあたりからバリスタ達は私を完全に認識したんだなというのがわかるようになった。
ブオンジョルノが、チャオになり、次第に「いつものマッキアート?」「お砂糖は茶色のやつだね!」
そしてお店がそこまで混んでなかったりすると「調子はどう?」みたいな簡単な会話が交わされる。
(さすがに私は名乗ったことはないしそのつもりもないので、彼らが私の名前を呼ぶことは今後もないはず)
そこのお店は、入ると目の前にレジがあってお店の店主らしき白髪の痩せているけど妙な貫禄のある(そして若い頃相当美人さんだったと思われる)老婦人がいつも座っている。
そこで料金を前払いするのだけど、私が彼女に挨拶すると彼女は、私が結婚して指輪をはめて以来しっかり見ていたようで
Buongiorno, signora (signora というのはミセス、既婚の女性に対する呼びかけ)
という風に言うようになった。
おお、さすが。
ところがだ。
バリスタたちは前から私のことをsignorinaと未婚の女性に対する呼びかけをしていて
まあこれは、みのもんたの「お嬢さん」と同じだと思っていたのでさほど気にしていなかったのだけど
ある朝、一人のバリスタが私に
「はい、カフェマッキアートですよ、fanciulla」
と言った。
ん?と思ったのだけどこのバリスタのノリってこんな感じだよねと思っていたら
次から別のバリスタもfanciullaと言い出した。
(ファンチュッラって、プッチーニのオペラ「西部の娘」くらいしか思いつかないよ。)
signorinaが「お嬢さん」ならfanciullaはなんだか「お嬢ちゃん」みたいな感じが私はするのだけど・・・。
こういうことを真に受けて「え?」と固まるのはノリが悪いかしらと思って放置しているけど、やっぱりなんだか気になる。
まあでもイタリア人って、60代とかでも友人とか近しい人に
「Ciao ragazzi」って言ってて、ragazzi って本当の若者への呼びかけかと思っていたけど、気持ちが若ければいいのかなとか思ったり。
こういうどうでもいいところで、なぜ?なんか意味あるの?って立ち止まる私はやっぱりノリが悪いですね。
by barcarolaw
| 2017-02-13 02:26
| イタリア